目標

1)還元的環境

1-1)アンモニア:セメント触媒の導入による低温でのハーバー・ボッシュ反応

1-2)アミノ酸と核酸塩基:鉱物と光を導入するユーリー・ミラー実験

2)酸化的環境

2-1)リボース:ホウ酸塩を導入するホルモース反応

2-2)酢酸:二酸化炭素→メタンチオール→酢酸

3)リン酸塩:リン酸塩鉱物と水の反応

4)鉱物と光による原代謝的触媒効果

  • 有機物鉱物表面光の相互作用のAFM/STM/TDS/NSOM測定

    5ATP(アデノシン三燐酸)の非生物的合成

  • 複数の生成物が鉱物と光の存在化で合流する反応

    6)オリゴヌクレオチドとオリゴペプチド

  • 鉱物と光の存在化でのヌクレオチドとアミノ酸のオリゴマー形成

    7)可能な反応経路を探索するコンピュータシミュレーション

  • 計算アルゴリズム・モデルの開発

 

初期地球の環境条件に関する最新の知見をもとに、「どのようにして無機・有機化学分子が地質学的環境から供給され、それらがやがて生命の構成要素へと進化するに至ったのか?」という問題の解決に取り組みます。具体的には、一連の化学進化を、辻褄の合う環境条件の組み合せのもとで再現しようと試みています。そこでは、様々な反応の触媒として鉱物が重要な役割を果たすと想定されます。そのために、初期地球に存在した単純な化合物と鉱物からスタートし、多段階の化学進化を連続的に再現できるような統合的な実験システムが設計されています。

 

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 フロー型水熱反応装置 ユーリー・ミラー放電実験