<プレスリリース>
 
東京科学大学 地球生命研究所(ELSI)のLiam M. Longo特任准教授が、「ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)」の助成金を獲得しました。HFSPは生体の複雑なメカニズムの解明を目的とした革新的かつ学際的な基礎研究を支援する国際共同研究プログラムです。Longo 特任准教授らの研究チームは、1年にわたる厳正な選考を経て応募総数111チームのから最も評価が高かった上位5組のチームの一つとして採択されました。

 

ELSIのLiam M. Longo特任准教授

 

Longo特任准教授(ELSI)、Martina Preinerグループリーダー(マックスプランク陸生微生物学研究所)、Cole Mathis准教授(アリゾナ州立大学)らの国際研究チームは、地球誕生期の環境下で補酵素と原始ペプチドが、多孔質鉱物環境の力を借りて、どのように相互作用し、自立的な化学ネットワークを構築したかに焦点を当てて研究をしています。

 

補酵素やペプチドの反応は生物の生存に欠かせませんが、地球上の生命誕生の初期段階で、原始的な生命体がそのネットワークをどのように築いていたのかは大きな謎に包まれています。研究チームは、鉱物表面における主要な代謝反応の触媒作用、多孔質環境の化学、原始的な酵素反応の再現という3つの異なるアプローチからこの謎に切り込み、実験、酵素化学、数値モデリングなどの学際的手法を組み合わせて研究を進めています。

 

Longo特任准教授は「私たちの目標は、生命誕生以前の地球で、どのように必要な化学反応が始まり、その反応に必要な触媒をどのように作り出すことができたのかを理解することです。これらが解明されれば、代謝や生命の起源に新たなブレイクスルーをもたらすことができます」と述べています。

 

多孔質環境、補因子、ペプチドはどのように自己組織化するのか?Longo 特任准教授は、共同研究者であるPreiberグループリーダー やMathis准教授とともに、非常に複雑な地球化学的環境において化学的多様性を高める方法を探る Credit: Martina Preiner
 
【問い合わせ先】
東京科学大学 地球生命研究所(ELSI)
特任准教授 Liam M. Longo(※問い合わせは英語のみ)
Email: llongo@elsi.jp
 
【取材申し込み先】
東京科学大学 地球生命研究所 広報室
Email: pr@elsi.jp
Tel: 03-5734-3163 Fax: 03-5734-3416