2025年8月に、ELSI、アリゾナ州立大学、サンタフェ研究所の研究者たちが「Assembly Theory for Folded Matter」と題したカンファレンスを開催します。本会議はワーキンググループ形式で行われ、タンパク質生化学者、物理学者、コンピューター科学者が一堂に会し、タンパク質やRNAのような大型の生体高分子が、どのようにして基本的な構成要素を再利用しながら組み立てられているのかを探ります。

 

共通の構造モチーフを中心に、多様なタンパク質構造がつくられる。共通の構造モチーフはカラーで、それを取り巻くタンパク質構造はグレーで表示されている。赤い球は、モチーフの安定化に寄与する進化的に保存された水分子を表している。Credit: Liam M. Longo

 

本イベントでは、「アセンブリ理論(Assembly Theory)」と呼ばれる枠組みを、生体分子の構成というテーマに適用します。複雑で機能的な構造が、限られたモチーフの繰り返しや再配置によってどのように生み出されるのかを明らかにしようとするものであり、これは音楽におけるサンプリングやリミックスとよく似ています。既存のフレーズが抜き出され、組み替えられ、再構築されることで新しい曲が生まれるように、生体分子もまた、構成要素の再利用によって新たな意味や機能を獲得していると考えられます。

 

さらに、近年著しい進展を見せている機械学習技術を活用し、分子構造の背後にある「文法(grammar)」を解明することにも挑戦します。こうした取り組みを通じて、分子設計における生物学的イノベーションの起源をより深く理解することを目指します。

 

開催期間:2025年8月18日〜21日

会場:アメリカ・ニューメキシコ州、サンタフェ研究所 コリンズ会議室

主催者:エリック・スミス(ELSI・SFI)、リアム・M・ロンゴ(ELSI)、ハリソン・スミス(ELSI)、コール・マシス(ASU)

参加方法:招待制
 
このカンファレンスは、Insight Venture Partnersの支援を受けて開催されます。
 
詳細情報はこちらをご覧ください:https://www.santafe.edu/events/assembly-theory-for-folded-matter